パリでデパートというと、ラファイエットやプランタンがありますが、何と言っても一線を画しているのはボン・マルシェ。1852年にオープンした世界最古のデパートと言われています。

当時42歳だった、アルスティド・ブシコーと妻マルグリットは既に生地屋として開業されていたこの店を買い取り、再出発させました。

ブシコー夫妻

それまでのお店での販売は、商品は店の奥にしまってあり注文に寄って出してくるというスタイルが普通だったところを、女性の購買意欲を促すために商品を展示し、客自ら商品を触れたり、試してみることができるようにしました。

当時の手袋売り場

今では当たり前の「商品を並べる」という販売方法が初めてこのボン・マルシェで展開されたわけです。因みに商品の「バーゲン」「返品制度」もこのボン・マルシェから始まったそうですよ。

大きな成功を収めたボン・マルシェは、1879年に店の増改築工事が行われ、金属の構造をギュスターヴが担当しました。また、美しいガラスの装飾はルイ・ボワローによるものです。

繊細で美しくかつ強固なバロック式の階段、ブリッジ。そして沢山の光が降り注ぐガラス天井。モデルはオペラ座だったそうです。

それまで決して高級店というわけではなかったボン・マルシェ(仏語の意味は「安い」)を、美しい店内と数々の商品で、人々が集い、賑わいの中で買い物をする巨大な店舗に変身させていったわけですね。

現在でもモダンな装飾と、メタル・ガラスの当時の装飾が上手く混ざり合ったセンスのよい店内になっており、特に1984年、LVMHグループが百貨店を買収してからは高級志向が高まり、販売品、販売員の質も高くいつも気持ちよく買い物ができる百貨店となっています。

お買い物に訪れた際には、ぜひ天井もご覧ください!