フランスより、エッフェル塔建設で知られるギュスターヴ・エッフェルとその子孫の活動をお伝えします。

Laboratoire Aerodynamique Eiffel 再訪

約2年ぶりにLaboratoire Aerodynamique Eiffelを訪れました。前回も説明した通り、Laboratoire Aerodynamique Eiffelはギュスターヴが1909年、風力の研究をするために16区Boileau通りに開設した研究所です。今回は実際に動いている風洞を体験!

ギュスターヴはここで、飛行機などに対する風の抵抗について研究していました。その功績は現在でも評価され続けています。

風洞を横からみた図

なんとラボラトワールで現在も使われている風洞はギュスターヴの時代に造られたもの。エッフェル型風洞と呼ばれています。

風洞の片側、空気が抜けていく方

当時は風洞が(8角形のテープが貼られている部分)もう1基あり、2基だったとのこと。大きい方は環境風などをシュミレーションするのに適しており、小さい方は突風のような強い風を引き起こすもので、現在はそれに代わるシステムが開発されているそうです。

残っている1基はもちろん今でも現役。昨日までは某ドローンの風力テストを行っていたとのことですが、どんな風にテストするのか?興味深々。色々質問していたら、今回はラッキーなことに責任者のマルコ氏が一緒に説明をしながら研究所を案内してくれたので、実際に風洞を動かしてみてくれました!

こちらの↑風量のコントロールパネル。現在はコンピューターで制御していますが、なんと2002年まではこちらのパネルが使われていたそうです。このパネルの裏は、

このようになっていて、風洞に繋がっているという原始的な造りになっています。

風洞を横からみた図

こちらが裏側。だんだん動力が伝わって、風をおこしていきます。

風洞は真ん中あたりで中にアクセスできるようになっているのですが、中側から覗くと

風が中心部分だけを吹き抜けており(少し離れると全く風を感じない)この中央部分に検査対象を置いてテストします。

検査対象は、1980年代までは飛行機や車などの乗り物が多かったようですが、現在は先に書いたドローンのような工業製品もあれば、建築物にどうように風が吹き込むかをテストする事も多いそうです。

このような建物の模型に可視風を吹き込み、風の動きをテスト
実際にテストに使われたアミアンのスタジアムとモンパルナスタワーの屋上

今回は実際に風洞を動かしてもらったことで、どうやって風の動きをテストするのか、なぜそれが必要なのかがよくわかりました。

そして聞いた話の中で一番の驚きだったのが、こちら↓

なんと、このギュスターヴによってラボラトワールが創業された当時はこのオートィユ地区には電気が通っておらず、エッフェル塔の方から電力を引いてこのモーターを使って、風洞を動かしていたのだそうです!ええぇーわざわざ引っ張ってきてたの?と私も家族もびっくり😲!やっぱりやることが大胆だな~と改めて尊敬しました。

ラボラトワールにはそこかしこにギュスターヴの痕跡が

残念ながらラボラトワール内は、普段一般公開されていないのですが、皆さんに見学していただける機会があればいいのになぁと思います。

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ルヴァロワ=ペレ市にて展覧会開催

Le Parisien 2024/01/25掲載

2件のコメント

  1. ヒロセキミコ

    創始者ギュスターヴはこれだけ綺麗に良く保存されているのを知ったら、さぞかし喜ぶことでしょう!!

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